レイ・ダリオ
- 世界最大級のヘッジファンド「ウォーターブリッジ・アソシエイツ」の創業者
- 1000億ドル以上の運用資産(2021年現在)
- 世界でもっとも影響力のある100人の1人(タイム誌)
- 世界でもっとも裕福な100人の1人(フォーブス誌)
上記の通り、レイ・ダリオ(@RayDalio)は「投資家としてこれ以上ないほどの成功」を収めており、投資をしている筆者(タカハシ)が以前から強く憧れている人物。
PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則 - amazon
この本は、レイ・ダリオの「人生と仕事の原則(人生と仕事で大切にしていること)」をまとめたもので、彼の思考の一旦を知ることができる。
どんな記事?
筆者が読んでいて、「これは!」と思ったものをまとめている。
公開備忘録。
PART I 私の生い立ち PART II 人生の原則 PART III 仕事の原則
この書籍は大きく3つのパートに分かれているが、執筆時点(2021/07)でPART IIまでしか読んでいない。
- 現在の優先順位が投資重視で、投資の本を読みたい
- PART IIIがなんと300ページ近くの大ボリュームである
- 人生の原則はすぐに取り入れられるが、仕事の原則は即実行が難しい
などを理由として断念した。いつか読む。
人生の原則
以下に、レイ・ダリオの「人生の原則」を書き出していく。大きく5つのパートに分かれている。
自分で考え、
- 何を望んでいるのか
- 何が事実か
- 「2」に照らし合わせて「1」を達成するには何をすべきか
を決めよう。
それを謙虚に、オープンな気持ちで行おう。
そうすれば可能な限りベストな考えを得られる。
あなたに影響を与えるもののパターンを見よう。
その因果関係を理解し、効果的に対応するための原則を学ぶためだ。
1 現実を受け入れて対応しよう
- 超現実主義者になるように
- 事実・現実を正確に理解することは、よい結果を得るために絶対不可欠な基礎だ
- 徹底的にオープンになり、徹底的にさらけ出そう
- 現実がどう機能するかを学ぶために、自然を見よう
- 進化は人生の最大の成果であり、最大のご褒美だ
- 自然の実践的な教訓を理解する
- 苦痛 + 反省 = 進歩
- 二次的、三次的結果の重さを考える
- 結果の責任を取るように
- 高いレベルからマシンを見る
2 人生で欲しいものを手に入れるために5ステップのプロセスを使おう
- 明確な目標をもつ
- 問題を明らかにし、放置しない
- 問題の根本原因を探るために診断する
- 計画を策定する
- 最後まで実行する
- 解決策を見つければ、弱みは問題にならないことを覚えておこう
- 自分自身そして他人のメンタルマップと謙虚さを理解するように
レイ・ダリオは、徹底した診断を行い原因を特定する。自分がその分野の専門でなければ、複数の専門家に意見を仰ぐ。
3 徹底的にオープンになろう
- 2つの障害を認識しよう(エゴと盲点)
- 徹底的にオープンになることを練習しよう
- 思慮に富む反対意見を言う技の大切さを理解しよう
- 反対意見を言ってくれる信憑性のある人とさまざまな角度から見る
- 注意して狭量な考え方とオープンな考え方の兆候を見よう
- 徹底的にオープンになるにはどうすればよいかを理解する
狭量≒器が小さい。次の特徴がある。
- 反対意見を好まない
- 質問よりも意見が多い
- 人を理解するよりも、理解されようとする
- 「間違っているかもしれませんが、私の意見はこうです」
- 人に話をさせない
- 2つのこと(自分の意見と反対意見)を考えられない
- 深い意味での謙虚さに欠ける
こういう人に注意すると共に、こうならないように(心当たりがある)
4 人の頭の配線はそれぞれものすごく違う
- 人の頭がどう配線されているのかを理解することで得られる力を知る
- やりがいのある仕事、かけがえのない人間関係は、よいことだから選択されているわけではない。それは私たちの中に遺伝的に組み込まれている
- 偉大な脳の戦い(意識は潜在意識と戦っている)を理解し、「あなた」が欲しいものを得るのに、どうコントロールするか理解しよう
- 自分や他人の人物像を知る
- 何を達成しようとするにしても、そpれに成功するための鍵は、目的をサポートするよう適材適所の配置をすることだ
意識(思考であり新皮質であり高次元の自分)が望んでいることを、潜在意識(感情であり脳の深い部分)がさぼらずにやるようにコントロールする。潜在意識が意識よりもすぐれている部分(ひらめき等)もある。習慣は大脳基底核によって身につく。
5 効果的な意思決定の方法を学ぼう
- (1)よい決定を出来なくさせるのは有害な感情だ
(2)意思決定は、まず学び、それから決定するという2段階のプロセスだということを念頭に置くように- 足下の状況を統合する
- 時系列に状況を統合する
- レベルの舵取りを効果的に行う
- 論理、根拠、常識は、現実を統合し、それをどうするか理解するのに最高のツールだ
- 期待値の計算をして決定する
- 追加情報を取る価値と決定しないコストを秤にかけて、優先順位をつけよう
- 単純化する!
- 原則を使う
- 信頼性が意思決定に重みをつける
- 原則をアルゴリズムに変換し、コンピューターと一緒に決定をするように
- 深く理解しないままAIを信頼することに注意
「生い立ち」より
投資に関連の強いものは「Investment Tech Hack」の記事に掲載した。
投資本を読む:レイ・ダリオの「人生と仕事の原則」 - Investment Tech Hack
この書籍は、レイ・ダリオの「人生の原則」についてまとめられた、「レイ・ダリオの人生」が感じられる非常に濃い書籍です。とくに投資と関連の強い箇所について、備忘録を兼ねてまとめました。
investment.abbamboo.com
偉大な世界のリーダー達
P.69 リーダーの中でも最高のリーダー。興味がある。関連する書籍があれば読んでみたい。
- シンガポールのリー・クアンユーほど尊敬するリーダーは他にいない
- 過去50年の間にほとんどすべての世界のリーダーを個人的に知っていた
- アンゲラ・メルケル:西洋で最高のリーダー
- ウラジーミル・プーチン:世界で最高のリーダーの1人
- 鄧小平:最高のリーダー
人生で大切なもの
P.145 基本的なことが大切だよね。限界効用逓減の法則。
巨万の富を持つこと、トップに立つことで得られる追加の利益は人が考えるほど大きくないと言える。基本的なこと、すなわち、眠るためのベッド、よい人間関係、よい食べ物、よいセックスがもっとも重要なことだ。これらのことは、お金がたくさんあっても大きく改善するものでもないし、お金がなくてもそれほど悪い状況にはならない。
「人生の原則」より
超越瞑想
P.156 レイ・ダリオは超越瞑想。スティーブ・ジョブズは禅の瞑想。
「軽視する人」「良いと聞いてもやらない人」がいると思うが、愚直に継続したい(決心)。
半世紀ほど定期的に行っている超越瞑想(TM)のおかげで挑戦に対してこういうアプローチをする平常心を得られた面もあると思う。
苦痛+反省=進歩
P.174 筆者がこれまで「こうした方が良い」と考えていたことと共通するものがある。
内省:自分自身、周りの世界、自分と世界との関係を見る能力
内省は得意な領域なはず。活かしていきたい。
高いレベルからマシンを見る
P.179 これは、ノートを活用するようになって出来ている気がする。
マシンのデザイナーである自分と、マシンを動かす自分とを区別するように。
「人生の原則」で触れられている、「高次元の自分」と「低次元の自分」が当てはまると思う。「マシンのデザイナー」が「高次元の自分」「新皮質」「意識」「思考」を指し、「マシンを動かす自分」は「低次元の自分」「脳の深く」「感情」を表している。
頑固に自分の考えに凝り固まる
P.181 まさに、これになっていた。
高次元の思考がないと頑固に自分の考えに凝り固まる
筆者にとっては、ノートが「思考」と「感情」をコントロールするツールになっている。
2つの障害を認識しよう
P.207 「エゴ」と「盲点」。人間の本能と、考え方のクセ。高次元の自分と低次元の自分。
「自分の物の見方」はすごく狭くて、「自分中心の視点」しか(言い過ぎ?)持ち合わせていないと思う。ただし、今、筆者の周りにいる多くの人と同じ見方をするのは、あまり良くないと感じてしまう。表現を変えると「共感できない」。だとすると、「オープンで謙虚な考え方をする人」の近くに行くべきなのだろうと思う。
自分や他人の人物像を知る
P.250 ブリッジウォーターで使う測定評価。
- MBTI
- ワークプレイス・パーソナリティ・インベントリー
- チーム・ディメンジョンズ・プロフィール
- ストラティファイド・システムズ・セオリー
- ビッグファイブ
簡単に探してみたが、このうち無料で試せるのは「ビッグファイブ」だけだった。「assessments.principles.com(英語)」では無料の診断(どの診断かは分からない)を行うことができる。
感想
ひとつひとつはすごく「当たり前」に見える(失礼かな?)レイ・ダリオの「人生の原則」ですが、これらのすべてを徹底してきた様子が感じられました。
「当たり前」に感じても筆者自身に置き換えると実践できていないことが多く、基本的なことをきっちり妥協せずに行うことの大切さを教えられたように思います。
とくに筆者には(一見すると謙虚そうですが)本当に意味での「謙虚さ」がなく、「オープンさ」については極々一部の人にしか出せていません。
正直、ちょっと前まで「あまり必要ないのでは」と考えていたのですが、この本をはじめとした「いくつかの意見」を参考に、最近、考えを改めました。
はじめて読んだ感想はこんな感じです。数年後、また読んだときに「改善できた」と思えるように、日々の行動を変えていきます。
この「人生の原則」を読み、続編となる「投資の原則」がより楽しみになりました!
タカハシ ユウヤ
投資やプログラミング、動画コンテンツの撮影・制作・編集などが得意。元・日本料理の板前。更新のお知らせは、Twitterで。
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